5月は Chicken guys



It's show time.

派手な内装の店には色とりどりの服を纏った女たちや彼女らに目を向けて鼻の下を伸ばした男たちばかりが席を埋めていた。
話を交わすもの、食事をするもの、それは様々で、けれどどの姿にも覇気が感じられない。それはぎゅうぎゅうに押し込められた社会、規則の中に欲も持てない生活に疲れた人々ばかりだ。
「あ〜ぁどの面も冴えねぇなー」
裏で控えているショー出演者たちはそれぞれの衣装を身に纏い出番を待っている中、裾から店内を覗いていた石橋はそう漏らす。
「もう夜ですからね。仕事で疲れてるんじゃないですか?」
その向かいの椅子に腰掛け衣装の修正をしていた神波が声をかけた。
それもそうだ。夜の店には仕事帰りの客が大半なのだ。
神波の隣で煙草を吹かしていた平山はそれを灰皿に押し付け、網野の肩に手を掛けて立ち上る。
「さぁ、そろそろ俺らの出番だ」
「・・・行くか」
  ― music start ―
「行くわよぉ、皆さ〜ん♪」
しなを作った木梨の声が楽屋中に響き渡る。
「「ぅい〜っす」」
このショーはただのショーじゃない、ただの見せ物じゃあない。
Funky guys−素晴らしい男たち− によって作られる Funky night−素晴らしい夜− のステージだ。
こんなにFunkyなものばかりのこのショーを見てタダで帰らせる訳にはいかない。
ショーは始まったばかりだ。
 「Are you ready?」

by 美歩さん